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2005年03月14日

キャスタブルセラミックス

昨日、日本審美歯科協会の記念学会の帰りに新幹線のなかで
抄録集を読んでいると「キャスタブルセラミックス」の演題が目に入った。

今時キャスタブルセラミックスなんて時代遅れだよな!
原宿デンタルの山崎先生も言っていたように
「多くのの審美歯科の材料がこれまで登場して、そして多くの材料が消えていった!」
キャスタブルセラミックスは所詮過去の材料だよと私は心のなかで呟いた。

キャスタブルセラミックスはセラミックスを高温に熱して鋳造といって
型に流し込んで作るテクニックだ。
8年ほど前は多くのメーカ−から色々な製品が発売されていた。
しかし最近ではコンピューターを使ったCADCAMといった新製品等に
押されっぱなしで、ほとんど市場でのニーズは失われていた。

しかし今日数年ぶりに当院に来院されたA さんのお口の中には
その私自身が時代遅れと笑ったキャスタブルセラミックスが多く入っていた。

そのキャスタブルセラミックスはまぎれも無くこの私が8年前に入れたものであった。
その内の1本が外れてバラバラに壊れ、新しくセラミックスを入れなおす治療のために
Aさんは当院に来院された。

私は橋を叩いて渡るほどの慎重さと、新しいものにすぐ飛びつくいい加減さを
併せ持っている。

今はオールセラミックスのプロセラが強度や信頼度で一番と
多くの患者様に薦めている私も、8年前はキャスタブルセラミックスが
素晴らしいと多くの当院の患者様に薦めていた。

今や世界のオールセラミックスの流れはジルコニアがキーワード!
日本の審美歯科は許認可の関係で世界と比較して遅れていると
あの山崎先生も嘆かれていた。

自分行った治療はいかに時代が移り変わろうと
自分が最後まで責任を取るのは当たり前だ。

8年間来院されなかったAさんが今日8年ぶりに当院に来院されたのも
「お前いい気になるなよ!」と神様が私を戒めてくれたのだと本気で感じた!!

投稿者 nakano : 2005年03月14日 21:40

コメント

「自分が行った治療はいかに時代が移り変わろうと
自分が最後まで責任を取るのは当たり前だ。

同感です。しかし、これがなかなか難しいですね。取れる責任なら困難な作業であってもいとわないのですが、どうしたらえぇねんと言う場合自分の持つ技術の幅が少ないと途方に暮れてしまいます。またどれだけ冷静に対応できるかという自分自身の感情的コントロールですね。
20数年前健全歯20本以上あった患者さんが先日残存歯一本になって帰ってきました。しかも抜歯対象。なんか、ため息です。

投稿者 黒瀬 : 2005年03月15日 09:03

そうですよね!一生患者さんの歯を全てキレイに
維持できて喜んで頂けると最高なんですが!
日本人の歯はまだまだ難しいと毎日悩んでいます。

投稿者 院長なかの : 2005年03月15日 20:33

はじめまして
少々質問があり書き込みさせていただきます。

CADCAMの優位性はどの辺にありますか?
精度は落ちるし、材料の安定性くらいではないですか?

ジルコニアですか
セメントとは接着しないし
根治やり直しの場合どうするんでしょう?

投稿者 偽装技工士 : 2010年02月19日 11:41

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