« オゾンで虫歯治療 | メイン | パラダイムシフト »

2008年05月06日

サンフランシスコ ロスアンジェルス

5月1日、岡山空港発11時のJAL便で羽田へと飛ぶ。

シンガポールの気温の高さと室温の低さのギャップにすっかりと
風邪を引いてしまった私は薬の山をバッグに入れていた。
羽田空港でばったりと、いつもお世話になっている美人社長のAさんと
美人受付秘書のBさんに出会う。
ご縁に感謝しながら空港でランチとなった。
乾杯の一杯だけのつもりのビールが2杯、3杯となって
お店を出るころの私はすっかりと茹蛸(ゆでだこ)状態に仕上がっていた。
(しまった!私は風邪を引いているんだった!!)
真昼間の羽田空港ですっかりと出来上がった私は恥ずかしさを感じながらも
リムジンバスで成田空港へ移動した。
(いつも感じるのは成田空港のアクセスの悪さ!羽田からのアクセスの悪さ!!
このままではアジアのハブ空港は他の国に必ず持っていかれる)

無事に成田へ着き、チェックインを終えて、サンフランシスコ行き全日空008便が出発した。成田からサンフランシスコまでの飛行時間は9時間と少し。
時差を克服するためには、なるべく早めに機内で眠ることが一番だ。
今回の旅の目的はいくつもあるが、現地滞在は賞味3日間!最初の到着日が一番ハードで一番重要な1日!風邪を機内で治して現地で本番に臨みたい!
サンフランシスコ到着の2時間前から朝食の機内サービスが始まる。
成田を出発して30分ほど過ぎると夕食の機内サービスが始まる。
夕食と朝食で2時間2時間使うと睡眠時間は9−4の5時間しかない!
夕食は軽めに採って早めに就寝したい!
先日のカンボジア旅行から、食べ物の大切さを改めて感じた私は、例え機内食でも食べ物を無駄にはしたくない!風邪でしんどい中、夕食は完食!
早めに就寝しようと思う私に思わぬ邪魔が入る。
機内の映画のプログラムに「HERO」を見つける。
このHEROは先日のシンガポールからの全日空便で途中でぶちっと切られた映画だ。
気になって気になって仕方がないので、最後まで見る。
機内は乾燥しているので鼻水は止まったが、なぜか体中に嫌な汗をかく。

サンフランシスコ国際空港まであと数時間!
果たして睡眠時間は何時間確保できるのか?

サンフランシスコ国際空港へは定刻とおり到着した。
しかしこの定刻をなぜか私はサマータイムとウインタータイムで間違えていたのか?
私の手帳には到着が朝の9時10分と書かれていた。
しかしNH008便は定刻の10時30分に到着した。
私はサンフランシスコのダウンタウンのホテルで11時45分に待ち合わせをしていた。
9時10分到着なら十分間に合う時間だが、間に合うのか?
入国審査の長い列に並び、機内に預けていた荷物を取り出し、タクシーを拾って
ダウンタウンのパレスホテルへと向かった。
道が空いていたのが良かったのか?待ち合わせには遅れないでホテルへと到着!
サンフランシスコは2年ぶり!バンクーバーが開催されたアメリカ審美歯科学会に
参加するためにここで乗り継いだ以来だ。

サンフランシスコ在住のAさんは、アメリカと日本にいくつもの会社を持っている経営者!ニューヨーク出身のAさんはアメリカ人ながら、流暢な日本語もOKだ。
私の英語とAさんの日本語のスキルを天秤にかけて、ほとんど日本語での会話となった。
サブプライム問題でさぞかしアメリカの経済の根底は揺れているのかと思っていたが
そうでもないらしい。
実際の不動産価格もサンフランシスコ全体では1%から3%の下落に過ぎず、最近の東京の地価の下落に比較しても微々たる影響でしかなかった。
A氏からビジネスシキルの根底に流れるものをレクチャーしてもらいながら
その上にサンフランシスコ有数のシーフードレストランで豪華なランチまでご馳走になった。
私が感じたこと。
@ アメリカ人の暮らしは本当に豊かである。どんな広い家に住んで、どれほど豊かな生活を行っているか?日本人の感覚では決してつかめない。貧富の差が激しい国とはいえ、これはアメリカの富裕層だけではなく、一般の人も本当に日本人より物質的にも時間的にも豊かな生活を送っている。お金と時間の使い方が上手なのだろうか?
A とは言っても、忙しいアメリカのビジネスマンの労働時間は以外に長い。経営者になってもビジネスを立ち上げてそのビジネスが軌道に乗るまでは、かなりの長時間労働を強いられている。
B アメリカは双子の借金を抱えていて、その上に今のサブプライム問題、大統領選を迎えて、今後2、3年間はドルが大きく下落して、経済力も落ち込む可能性が高い、しかし日本の状況はもっと悪い。今後15年間、日本の経済力が日本の円が復活する材料はどこにもない。ぬるま湯漬かりながら、ゆっくりとゆっくりと下落を続ける。
私たち、日本の歯科医師がこれから進むべく道は?果たして??
A氏と別れた後、私はアポイントを取っていた歯科医院に向かった。

B先生のオフィスは私が宿泊していたパレスホテルから歩いてゆける距離にあり、
サンフランシスコのダウンタウンの中心ユニオンスクエアの近くの都市型歯科医院だった。
大きなビルの24階にその歯科医院はあった。
アメリカの歯科医院は、専門性が進んでいて、日本の歯科医院のようにジェネラルな何でも行う歯科医院の上のランクに専門の歯科医院が存在する。
一般歯科医師より専門歯科医師は1.5倍の年収を稼ぎ、専門歯科医師となると平均でも日本の一般歯科医師の数倍の年収だと聞いた。
(完全週休二日で、労働時間も午後の5時には全てが終了する!)
B先生はインプラントではとても有名な先生で、来週もイタリアで開催される学会でスピーカーとして発表されると言われていた。
B先生のオフィスはビルの24階にあり、看板は小さすぎて見つけることが困難だった。
B先生は口腔外科の専門医として、インプラントのオペと親知らずの抜歯などを専門的に行っていた。ほとんどの患者さんが一般歯科医師よりの紹介なので看板もホームぺージも最低でいいと言われていた。
待合室にはインプラントの説明用のDVDが繰り返し、繰り返し流れていた。
初対面の日本からの私をB先生は大きな握手と大きなスマイルで迎えてくれて
午後の診療の最後まで時間に渡り、私を横に付けてもらって説明しながら
インプラントのオペを進めた。半日で10数名もの患者さんの横で学ばせてもらった。
色々と驚くことが多かったのだが、ここの診療室の患者さんに特有なのか?それともアメリカでは当たり前なのか?奥歯の被せはほとんど100%セラミックのメタルボンドだった。日本のような銀歯は1本も見ることがなかった。
また歯を失うかたは多いのだが、ブリッジや入れ歯が極端に少なく、1本失った場合は単独植立のインプラント。
全ての歯を失った方には、オールオンフォーと言う4本のみで全てを支えるインプラントがほとんどだった。
また親知らずの抜歯は例え4本全て骨に埋まっていようがわずか1時間のアポで4本とも抜いていた。
私がなぜ一気に4本全て抜くんですか?と質問すると、あなたはなぜ4回も患者さんに術後の痛みを与えるのですか?と逆に質問された。
診療が終わり、私のために少し残ってもらって、「何でも質問して下さい!」と言われる。
本当にありがたく思っていると、「せっかくの日本からの友人のために、本当は一緒にディナーを食べたいのだが、今日は妻の父親の90回目のバースディパーティがあるんで、申し訳ない!」と頭を下げられる。
最後の最後にB先生が出版されているインプラントの本にサインを頂いて診療室を後にした。
今回の旅で私が一恐れていたのが、一人ぼっちで食事をすること!
一人では寂しいし、アメリカの食事はポーションが多いので、複数で取り分けるのが理にかなっている。ホテルの周りを探し回って、近くの中華料理店でテイクアウトが出来るのを知って、チャーハンと酢豚をテイクアウトする。
私はアメリカでチャーハンをずっとテイクオウトして食べたいとずっと思っていた。
アメリカのテイクアウトのチャーハンは、縦に長い紙の容器に入っている。
冷めないように早足でホテルの部屋に戻る。
チャーハンは期待以上の味でうれしく思った。
酢豚を頼んだつもりが、出てきたものは冷たいスペアリブだった。
チャーハンも冷えたスペアリブもアメリカナイズされた中華ではあるが
以外に味はいけた。
でもやはり量が多すぎて半分食べたところでギブアップした。
明日は早朝からロスへと移動する。


サンフランシスコのパレスホテルは便利な立地にあって、目の前がすぐ地下鉄の駅である。
今回は一人旅で荷物も少ないので、帰りは空港までは地下鉄を利用することになった。
タクシーなら40ドル、地下鉄なら5ドルと激安である。
早めに空港へついたつもりが、セキュリティが大混雑でゲートに着いたのはギリギリの時間になっていた。
アメリカは飛行機の価格がとても安い!今回利用したユナイテッド航空はサンフランシスコからロスまで片道3500円ほどの料金だった。
日本で大阪から東京まで3500円で果たして行けるか?絶対ムリだ。
(日本の航空運賃も、グローバルな波に乗らないと、いつかは外資に食われる。)

ロスの空港に到着してハーツレンタカーへとバスで向かう。
サンフランシスコとロスの一番大きな違いはその街の広さだろう!
ロスは果てしなく広い!いちいちタクシーを利用していたら
あっという間に有り金を全て使ってしまう!だからレンタカーが一番便利だ。

今回の旅では小さなトラブルが出てきたのだが、その1つは携帯電話のトラブルだ。
成田空港で充電池まで仕込んでいった私の海外携帯は、なぜかアメリカではいつまでも圏外のままで、無駄な小さな箱を貸してしまった。

部屋に荷物を置いて、見学先の歯科医院に向かおうと思っていたら、チェックインがすぐに出来ないらしく、ロスで食事の約束をしていたCさんに電話をするのがなかなか出来なかった。コリアタウンのH先生の診療室は3年前にセミナーで伺った。
今回はまずはH先生の診療室を見学する予定だった。
チェックインまでに時間があるので、H先生の診療室まで車を飛ばして、場所を確認した。
3年前の記憶だけに頼っていた私だが、鼻が利くというか?広いロスで自分で車を運転してH先生のオフィスを探し当てた。
しかしコリアタウンはますます凄いことになっている。
大きなビルが新しく立ち並び、ハングルの看板は一層に増えている。
凄い!コリアンパワー!!
H先生の診療室の近くの韓国料理やは在米韓国人のお客さんで昼間とはいえ、大繁盛していた。ここでは韓国語が飛び交い、キムチの小皿も飛び交っていた。
「私は、今いったい、どこにいるんだろう?」
辛い冷麺で口の中を真っ赤にしながら私は独り言を呟いた。

今回のロスのホテル選びは難航した。
ビバリーヒルズのペニンシュラやビバリーヒルズホテル等の高級ホテルは、円高とはいえ、1泊60000円以上する。仕事での利用で、それも一人のため、そこまでお金を掛けるわけには行かない。ウエストハリウッドに歴史のある面白いホテルを見つけた。
それがサンセットタワーホテルだった。
ウエストハリウッドはハリウッドの西の地区になるが、サンセット通り沿いには、有名なナイトクラブが立ち並び、ハリウッドスターやセレブが夜遊びする街だと聞いた。
ブリトニースピアーズやヒルトン姉妹に会えるかもしれない。
よこしまな理由でホテルを決めた。

ホテルにチェックインして、Cさんにホテルの電話からやっと連絡がついた。
「今日の午後のロスでのH先生の歯科医院の見学先は無理」だったらしい。
今日はH先生が診療室に出ない日であるし、どうして本人が直接電話してこない!と
怒られたらしい!
電話で英語で用件をきちんと伝える自信が私にはなかったので、代理の電話をお願いしたのだが、失礼なことをしてしまい、双方に迷惑をかけたようで、申し訳なく思った。
大切なことは自分で責任を持って行動しないといけない!と肝に銘じた。

午後の時間が空いたので、Cさんとの夕食の約束の時間まで、ホテルのスパとプールでのんびりと過ごす!最近ハリウッドでは大のスパブームで至る所にスパが出来ている。
ホテルのスパはヘアサロンの運営だったが、ブロンド美人のDさんのマッサージはファーストタッチで、素人の域を出ないことがわかり、120ドルを無駄にしてしまった。
その後、プールへ行くも、白人のゲストの冷たい視線は私には痛かった。

このホテルでは日本人の姿はもちろん、黒人のゲストの姿も、有色人種のゲストの姿は1人も見られない、ヒスパニッシュ系の多くの人が肉体労働で裏方で働いていた。
何となく大きな人種差別のピラミッドを感じる。

夜の7時の約束の時間通りにB氏はホテルに現れた。
B氏の車で知り合いの日本料理の店へと向かう。
B氏は10年前にロスに来た。その時は知り合いは一人もいなく、英会話もろくに出来なかったという。そこからロスで起業して、今では幾つものビジネスをロスと日本で展開していて、幾つもの会社を所有している。
バレーパーキングに預けていたBMWの車種が、B氏のアメリカでの成功を物語っていた。
B氏とお会いするのは2度目だが、自信のある風貌と、柔らかなその物腰は、私のシドニー在住の友人T氏を彷彿させる。
海外に着の身着のまま飛び込んで、成功されている日本人には、いくつもの共通点があった。

B氏はアメリカの歯科事情にも詳しく、数時間の話の中で私は多くのヒントを手帳に書き込んだ。良い悪いは別にして、私は日本はアメリカの数年後を進んでいる気がしている。特に歯科医療は、アメリカで3年前に起こった波が3年後に日本に訪れる。
アメリカから学ぶべき点は多い。

B氏と別れてホテルへと帰った私だが、翌日の最終日の予定が全くの白紙になってしまった。今回の大きなミスの原因は他力本願であったこと。英会話に自信がないので人任せにしたことにあることは間違いない。
ここはやはり自分で動かないと!ありがたいことにパソコンを日本から持参していた。
このサンセットタワーホテルは無料でハイスピードのインターネットが利用できる。

深夜までロスの、それもビバリーヒルズ有名な歯科医院の検索は続いた。

そして、深夜1時を回って、遂に見つけた!

ビバリーヒルズのロデオドライブの中にあるバブリーな雰囲気の歯科医院。
ホームーページではブリトニースピアーズもチャーリーシーンもそのクリニックの患者だと院長とハリウッドスターの多くの写真が掲載されていた。

ここだ!私が求めていたものは!!

翌朝一番に見学依頼の電話をしよう!目標は絶対叶うはずだ。
しかし、深夜1時を回ってのこのホテルの周りの喧騒ぶりはあきれ返る。
周囲にナイトクラブが立ち並ぶ立地なので仕方がないのだが、深夜まで奇声とバイクや車のエンジンを吹かす音と、パトカーのサイレンが響き渡り、神経質?な私は
なかなか寝付くことが出来ない!

明日も本気で頑張ろう!自分にそう言い聞かせて何とかベッドに潜り込んだ。

6時過ぎに起きて作戦会議、子供の和英辞書の力を借りて、電話で見学をお願いする文章をあらかじめ作成する。
見学するを和英で引いても載っていない!PCの翻訳ソフトで何とか文章を作成する。
アメリカの歯科医院は朝が早く、ほとんどの歯科医院で朝8時から診療が始まる。
その分、夜は早く、夕方5時や、曜日によっては夕方4時で診療は終わる。
8時になるのを待って、歯科医院に電話する。
何度かの呼び出し音の後、女性が電話口に出た。
文章を考えていたので、スラスラと話が進む。
「わかりました!でも今日はクリニックはお休みです!」

想定外の答えが女性の口から出た!
「エッ!お休み?」
「はい、土曜日はお休みです。この電話は秘書サービスに転送されています。」

迂闊だった!曜日の感覚を忘れていた。金曜日と思っていた今日はロスは土曜日だった。
それから幾つものクリニックに電話するも全て全滅!

ロスでの歯科医院見学はこれでゲームーオーバー!!
予定が無くなった私は、コリアタウンでタイ式マッサージを受けて、食事もタイ料理の店にいた。「サワディカップ!」私のタイ語の挨拶は英語より、慣れ親しんでいた。

私は一体どこにいて、一体何をしているのだろうか?

投稿者 nakano : 2008年05月06日 11:20

コメント

コメントしてください




保存しますか?